介護エッセイを出版しました。
2004年から2009年まで更新していたブログ「今週のすぎやん」の内容を抜粋・修正し、ブログには書ききれなかった作者の思いや後日談なども新たに書き下ろしたエッセイ。

遺影選びで悩まないために。

葬儀 介護情報
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先日、認知症のお父様を見送られた娘さんが書かれたコラムを読みました。

遺影の写真が…認知症の父を送ったアラフィフ娘 生前にやっておくべきと思ったこと3つ
見通しがきかず、未来がまるで読めない――そんな「介護」の現実と向き合ってきたアラフィフ娘でしたが、ついに別れの時が訪れました。父親が認知症と診断されてから約3年。長いようで短い時間を経て父親を見送った今、「これ、やっておけば良かった!」とリ...

著者の和栗さんは、お父様の生前中にしておくべきと思ったことを3つ挙げられていますが、私が一番同意できたのが、遺影のお話です。

葬儀会社にある程度お任せするプランを選択した場合、関係各所への連絡と、遺影選びが、遺族の最初の仕事なのですが、遺影選びって意外と考慮に入っていないものです。

私の場合、両親の遺影は、どちらも私が選びました。

母の場合。

母は、遠出する時はカメラを持参していました。
さらに昔は、慰安旅行などのイベント時に、誰かが必ずカメラ係になり、撮影した写真を販売していたものです。母は、自分が写っている写真は、だいたい購入していました。

そんなこともあり、母自身が写っている写真が多く残されていましたので、近影の中から、穏やかな表情をした写真を選ぶことができました。

父の場合。

父は写真が苦手でした。特に、脳梗塞の影響で片麻痺になってからは、さらに写真を嫌がるようになりました。
晩年は老人ホームで暮らしていましたので、ホーム内でのイベント時の写真や、私が撮影した写真が残ってはいるのですが、不機嫌な顔や、あさっての方向を向いたものが多かった。

最終的に選んだのは、老人ホームスタッフが撮影した、満面の笑みでピースサインをしている写真。
不自由になった自分の体を嘆いていた父でしたが、この写真は麻痺がそれほど目立たないし、何よりもとてもいい笑顔で、父らしい近影だと思ったのです。

お寺様には、「ピース写真の遺影なんて、初めて見ました」と、びっくりされましたけどね。

両親が健在だった頃は、カメラを持ち歩かなければ、写真は撮れなかった。
でも今は、スマホで気軽に写真が撮れます。

今日という日は、もう二度と戻ってきません。写真は記録にも、思い出にもなります。
だから、遺影とかそんなことを意識せず、元気な時の写真をたくさん撮影しておいてください。昔と違って、現像する必要もないから、お金もかかりませんし。

たくさん撮影しておけば、その人らしい1枚が、必ず見つかります。

そして、思い出が消えてしまわないように、必ずバックアップを取っておいてくださいね。

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