私の父の場合。
1984年(昭和59年)11月22日、木曜日。出勤途中の父が「頭が痛くて気分が悪い」と言って、家に戻ってきたのです。そんなことは初めてだったので、びっくりした記憶が残っています。
翌23日は勤労感謝の日で休みでしたので、丸2日間、父は家で寝てました。
その翌日、24日の土曜日。
父を病院に連れて行ってくれないかと、母から頼まれました。母は出勤日で、私は学校が休みだったからです。
当時、総合病院の脳外科病棟で看護助手をしていた母は、父の様子に嫌な予感を抱いたのだと思います。
「もしかしたら、脳の病気かもしれないから、脳外科へ連れて行って」
母の言葉に従い、父とふたりで、最寄りの大学病院の脳外科外来へ行きました。
診察室に入った父は、しばらくすると、ストレッチャーに載せられ、どこかに消えていきました。呆然としている私に、医師は、すぐ母を呼ぶように告げました。
検査の結果、父はくも膜下出血を発症していることが発覚、その日のうちに緊急手術。しかしその後、脳梗塞も発症、一時は危篤状態に陥りました。命は取り留めたものの、父は左半身が麻痺し、常時車椅子での生活となり、会社も退職せざるを得ませんでした。
当時父は、まだ49歳でした。
一刻も早く病院へ。
半世紀近く前のことですので、今とは処置や治療方法も違ったでしょうが、22日の時点で病院に行っていれば、もしかしたら父の病状は、大きく違っていたかもしれません。
そして母と私のその後の人生も、また違ったものになっていたでしょう。
どんな病気でもそうですが、脳梗塞やくも膜下出血など、いわゆる「脳卒中」は、早期発見・早期治療が特に大切です。
私の父が倒れた時代より、医療技術は格段に進歩し、脳卒中を患っても後遺症なしで完治される方も、珍しくなくなりました。1分1秒でも早く治療を開始すれば、それだけ症状は軽くなるのです。
皆さんには、私の父のような状態になってほしくない。
周りの人に脳卒中の症状が出たら、すぐ救急車を呼ぶか、一刻も早く病院に連れて行ってあげてほしい。
心からそう思います。
脳卒中の主な症状は、以下の参考リンクにわかりやすくまとめられています。
また、「愛する人を救うため~脳卒中になったとき~」という動画を貼っておきます。
公開が2009年と、やや古い動画ではありますが、素人でも気付きやすい脳卒中の症状をまとめ、迷わず救急車を呼ぶよう、覚えやすい歌にのせて呼びかけています。