介護エッセイを出版しました。
2004年から2009年まで更新していたブログ「今週のすぎやん」の内容を抜粋・修正し、ブログには書ききれなかった作者の思いや後日談なども新たに書き下ろしたエッセイ。

脳卒中の後遺症を減らすために。

脳神経外科 介護経験談
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私の父の場合。

1984年(昭和59年)11月22日、木曜日。出勤途中の父が「頭が痛くて気分が悪い」と言って、家に戻ってきたのです。そんなことは初めてだったので、びっくりした記憶が残っています。
翌23日は勤労感謝の日で休みでしたので、丸2日間、父は家で寝てました。

その翌日、24日の土曜日。
父を病院に連れて行ってくれないかと、母から頼まれました。母は出勤日で、私は学校が休みだったからです。
当時、総合病院の脳外科病棟で看護助手をしていた母は、父の様子に嫌な予感を抱いたのだと思います。

「もしかしたら、脳の病気かもしれないから、脳外科へ連れて行って」

母の言葉に従い、父とふたりで、最寄りの大学病院の脳外科外来へ行きました。
診察室に入った父は、しばらくすると、ストレッチャーに載せられ、どこかに消えていきました。呆然としている私に、医師は、すぐ母を呼ぶように告げました。

検査の結果、父はくも膜下出血を発症していることが発覚、その日のうちに緊急手術。しかしその後、脳梗塞も発症、一時は危篤状態に陥りました。命は取り留めたものの、父は左半身が麻痺し、常時車椅子での生活となり、会社も退職せざるを得ませんでした。
当時父は、まだ49歳でした。

一刻も早く病院へ。

半世紀近く前のことですので、今とは処置や治療方法も違ったでしょうが、22日の時点で病院に行っていれば、もしかしたら父の病状は、大きく違っていたかもしれません。
そして母と私のその後の人生も、また違ったものになっていたでしょう。

どんな病気でもそうですが、脳梗塞やくも膜下出血など、いわゆる「脳卒中」は、早期発見・早期治療が特に大切です。
私の父が倒れた時代より、医療技術は格段に進歩し、脳卒中を患っても後遺症なしで完治される方も、珍しくなくなりました。1分1秒でも早く治療を開始すれば、それだけ症状は軽くなるのです。

皆さんには、私の父のような状態になってほしくない。
周りの人に脳卒中の症状が出たら、すぐ救急車を呼ぶか、一刻も早く病院に連れて行ってあげてほしい。
心からそう思います。

脳卒中の主な症状は、以下の参考リンクにわかりやすくまとめられています。

また、「愛する人を救うため~脳卒中になったとき~」という動画を貼っておきます。
公開が2009年と、やや古い動画ではありますが、素人でも気付きやすい脳卒中の症状をまとめ、迷わず救急車を呼ぶよう、覚えやすい歌にのせて呼びかけています。

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